【映画ネタバレ感想】7月22日

10月10日にNetfix映画として配信された。『7月22日』を観ました。

内容は重いドラマ。個人的には今年観た映画でベスト10に入るぐらいの良作です。

予備知識全く0で観たので、これがノンフィクションだということを知って驚きました。

 

 

作品情報

原題:22 July

製作年:2018年

製作国:アメリ

監督:ポール・グリーングラス

www.youtube.com

 

ネタバレ感想

2011年7月22日にノルウェーの首都オスロウトヤ島で発生した連続テロ事件についての映画でした。このころは全く社会に目を向けていなかったので、この事件については映画を見るまで全く知りませんでした。

このテロ事件は、ノルウェー政府庁舎を爆破し、その後、ウトヤ島で10代の若者を銃殺し、77人の命を奪った事件です。犯人は極右思想を持つキリスト教原理主義者の男。この二つの事件は単独で行われた。

 

前半30分まででテロ行為が行われます。しっかりと作りこまれており、犯人のテロの準備とウトヤ島でのノルウェー労働党青年部の楽しい集会の様子が交互に描かれ緊張感が高まったところで、政府庁舎爆破。そして、ウトヤ島での地獄がリアルに描かれている。逃げる少年少女たち。それを淡々を銃殺していく犯人。恐ろしい映像です。

警察が到着後、あっさり捕まる。

犯人に撃たれ重傷になりながらもなんとか生き残った少年と犯人に弁護を依頼された弁護士と首相に焦点を当てながら物語は紡がれます。

少年は大けがで体が自由に動かせず、片目は義眼。脳には銃弾の破片が残った状態。友人も殺害されている。PTSDの症状もみられます。心身ともにどん底状態から家族や友人に支えられ、立ち上がっていきます。そして、法廷で犯人と対峙し証言を行います。一度は生きることに絶望していたのですが、最後に生きることを宣言します。

結局犯人は禁錮最低10年、最長21年の判決を言い渡されます。

 

まとめ

実話の映画化で、かなり重いです。娯楽作品ではないです。ただ、作品のクオリティーは高く、引き付けられるものがあります。少年の復活していく過程において、大変感動しました。ただ、犯人はあれだけのことをしたのに全くと言っていいほど痛い目に合っていません。ジャック・ケッチャム黒い夏のように、刑務所でエイズの男に掘られればいいのに。

Netfixに入会しているなら観るべき作品です。

 

おすすめです。

www.netflix.com

 おまけ

事件についてもっと詳しく知りたかったので、ナショナルジオグラフィックの衝撃の瞬間 6「7. ノルウェー連続テロ事件」を観ました。(これはアマゾンプライムで観れます。)

www.amazon.co.jp

 また、NewsWeek内の記事も調べました。

 

ノルウェーは爆弾や銃は簡単に手に入るのか?

 →ノルウェーでは、狩猟目的で自動小銃を所持する人が多いようです。この理由は、さりげなく映画に描かれています。拳銃はライセンスを取得し購入したようです。

 →爆弾は犯人が自作しています。偽の卒業証書を売り資金を稼ぎ、世界中の銀行に隠していた。爆弾の材料の肥料を手に入れる為に農夫になっています。硝酸ナトリウムを購入したことで公安に報告が来ていたが見逃したようです。見逃したということは映画にも描かれています。

なぜ政府庁舎のすぐ近くに車を止めることができたのか?

 →ノルウェーでは市民が自由に政治家に会えるということを誇りにして、政府庁舎前の警備は全くしていなかったようです。911のテロがあったのにも関わらず。

襲撃された青年部って?

 → ノルウェーの政党には10代から20代で構成されている青年部というものがあるようです。ここから未来の政治家や首相になっていくという。この辺りは日本と違いますね。若者たちの政治の関心度が高いのでしょう。夏には大自然の中での労働党員の仲間づくりと政治研修が目的のイベントがノルウェーでは恒例行事のようです。

犯人はなぜ射殺されなかったのか?

 →もともと捕まるつもりだったのですぐに投降したということです。犯人も警察が来るのが遅くて警察に電話していたようです。また、警察も犯人に対して一発しか発砲しておらず、2006年から一人も射殺していないようです。

なぜ単独で69人も殺せたのか?

 →警察の初動が遅れたようです。まず、ヘリが無かったので、渋滞の道を30分かけて向かったらしい。地元警察との連携は、連絡手段がアナログとデジタルの相違の為ほとんど意思疎通ができなかった。当初犯人が単独犯と思われていなかったため、地元警察は待機を命じられていた。船もなく、用意した船で出発したがトラブルで立ち往生していた。そんなこんなで、15分もロスしたようで、本当なら被害者はもっと少なかったということでした。

なぜ死刑ではないのか?

 →ノルウェーでは死刑制度がないということです。しかも、刑務所は厚生施設の意味合いが強い為、部屋も豪華だという。しかも犯人は、通信制の大学の入学許可を得るは、「隔離収監が人権侵害だ」と訴え裁判所に受理されたりとやりたい放題。

 

調べれば調べるほど、いたたまれない事件です。

 

 

 

最近観た映画を連想しました。 

カナダのモントリオール理工科大学で起きた銃乱射事件をモチーフにした映画

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