【書籍感想】ハヤカワ文庫SF総解説2000

1970年8月に刊行が開始された文庫レーベル、ハヤカワ文庫SF。2015年に通巻2000番に到達した特別企画として、1番『さすらいのスターウルフ』から2000番の『ソラリス』まで、番号順にすべての読みどころと意義をSF作家・評論家らが徹底解説。(Amazon

 

私は最近になってSF小説を手に取るようになりました。そこで、昔はどんなSF小説が書かれていたのか気になり読みました。

 

シリーズものはまとめられてるとはいえ、かなりのボリュームです。あらすじではなく解説なので、作品自体の雰囲気はうっすらとわかる感じです。批判的な内容もあり面白かったです。

 

宇宙英雄ローダン・シリーズ」が現時点で579巻も発売されている事をしたり、驚いた。世界最長の小説シリーズだそうな。ちなみに私、NHKドラマで好きで見ていた「ドクター・フー」は、同一主人公で世界最長のフィクション・シリーズで472作ということです。グイン・サーガ栗本薫著)は単一作家による世界最長の小説シリーズ。

 

掲載されている開設者の中には聞いたことある名前の方がちらほらと。

池澤春菜ってどっかで聞いたことあるなぁ~と思っていたら声優でしたし、学生時代よく読んでいたミステリー小説家の二階堂黎人法月綸太郎我孫子武丸の名前も。

 

特に個人的に読みたいと思った絶版小説は2冊。

デイワールド(フィリップ・ホセ ファーマー著)

人口問題の解決策として、1週間に1日しか生きられず、残りの6日は“固定器”のなかで過ごすことが義務付けされた世界のお話。曜日ごとに独自の世界観が構築されているとか。設定が面白くどのような世界なのか興味があります。

 

宝石世界へ(テッド・ホワイト著)

とにかくオープニングに引き付けられる。

同じ車両に乗っていた老人がいつの間にか人形になり、隣の車両では乗客が人形に。その次の車両では実物の写真になっており、さらに次は名前を書いた札が落ちているだけ。電車を脱出すると、ニューヨークがハリボテの街に変わっていたという筋だてらしい。

途中で話は凡庸になるらしい。ただ、冒頭シーンだけでも、十分に刺激的で読む価値ありと評価されています。

 

 

ハヤカワ文庫SF総解説2000 (早川書房)